【ETF分析】NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)

日本株式市場を表すTOPIX(東証株価指数)をベンチマークとしているETF、NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信<1306>について、構成銘柄や分配金、類似ETFとの比較等を交えて内容を詳しく見ていきます。

目次

基本情報

商品名NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信
コード1306
市場東京証券取引所
運用会社野村アセットマネジメント
上場日2001年7月13日
信託報酬率0.0586%(段階料率)
ベンチマークTOPIX(配当込み)
銘柄数1,862
最大銘柄比率3.21%(トヨタ自動車)
上位10銘柄比率21.8%
純資産総額23兆6889億円
分配頻度年1回
分配金利回り2.37%
NEXT FUNDSのHPより参照。2025年7月16日時点

NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信<1306>は、野村アセットマネジメントが運用するETF(上場投資信託)です。TOPIX(配当込み)をベンチマークとしているため、日本の株式市場全体の動向が値動きに反映されます。国内トップクラスの純資産総額で、日本を代表するETFの一つとして知られています。信託報酬は、純資産総額に応じて段階的に変わる段階料率が採用されています。

ベンチマーク

1306のベンチマークは、日本取引所グループのJPX総研が提供しているTOPIX(東証株価指数)が採用されています。TOPIXは、東証プライム、スタンダード、グロース市場に上場している一定の条件を満たした銘柄を対象に浮動株時価総額加重平均にて算出した株価指数です。日本の株式市場全体の動向を示す代表的な指標となります。

TOPIXについては、以下の記事で、基本的な情報から日経平均株価(日経225)との比較等も交えて解説していますので、よく詳しく内容を把握したい場合はご確認ください。

パフォーマンス

上図は、2001年末から現在(2025年7月16日)までの、TradingView提供のチャートです。23年と半年程で約4倍になっています。この期間のCAGR(年平均成長率)は、6.24%となります。ベンチマークとしているTOPIXの1968年からの長期的なCAGRが6.0%程でした。対象期間が異なるので似た結果となったのはたまたまですが、日本株に長期投資した場合は大体6%程度が期待値となりそうです。

米国株の指標となるS&P 500の長期的なCAGRは8%程度ですので、米国株と比べると少し物足りない値とはなります。ただ直接的には為替の影響を受けないのと外国課税分がない点は国内株ETFのメリットと言えます。

構成銘柄

スクロールできます
No. 銘柄名コード比率
1トヨタ自動車72033.21%
2ソニーグループ67583.12%
3三菱UFJフィナンシャル・グループ83063.04%
4日立製作所65012.62%
5任天堂79742.12%
6三井住友フィナンシャルグループ83161.79%
7リクルートホールディングス60981.57%
8三菱重工業70111.54%
9東京エレクトロン80351.42%
10キーエンス68611.40%
11東京海上ホールディングス87661.39%
12三菱商事80581.37%
13伊藤忠商事80011.30%
14みずほフィナンシャルグループ84111.27%
15ソフトバンクグループ99841.26%
16日本電信電話(NTT)94321.11%
17三井物産80311.09%
18信越化学工業40631.03%
19武田薬品工業45020.96%
20ソフトバンク94340.87%
NEXT FUNDSの組入銘柄情報より参照。2025年6月30日時点

上位20社は上記の通りで、上位10社で全体の21.8%の割合を占めます。1位はやはりトヨタ自動車、2位はエンタメ中心の企業となったソニーグループ、3位以降は金融、総合商社、通信事業者等が上位に入っています。東京エレクトロンや信越化学工業といった半導体関連の企業も入ってきています。

三菱UFJ、三井住友、東京海上、伊藤忠、NTTは、それぞれの銘柄分析記事へのリンクを付けています。

参考までに、組入比率21位はファーストリテイリングでした。もう一つの日本を代表する指数である日経平均株価では、ファーストリテイリングが最大の構成比率で、1銘柄で10%近いウエイトを占めています。株価平均方式の日経平均は特定の銘柄に左右されやすいと言われる所以で、この辺りが時価総額加重平均のTOPIXとの違いと言えるかと思います。

分配金

分配金は年に一度の支払いで、直近の分配金利回りは2.4%程度となっています。分配金支払基準日は7月10日とされ、分配金の支払い開始は、基準日から約40日後となっています。以下は、100口当たりの分配金推移のグラフです。

直近10年分の分配金を見てみると、波はあるものの右肩上がりで成長しています。上記期間でのCAGRは10.9%となっていて、分配金の成長率はS&P 500 ETFのVOOより高くなっています。パンデミック時の2020年は1306もVOOも減配となっていますが、1306の方が少ない減配で収まっています。直近10年の分配金だけを見れば、1306の方が優秀と言えそうです(株価上昇ではVOOの方が優っています)。

ETF比較

同一ベンチマーク

同じTOPIXをベンチマークとする1475、2625との比較を見てみます。

スクロールできます
 130614752625
名称NEXT FUNDS
TOPIX連動型上場投信
iシェアーズ・コア
TOPIX ETF
iFreeETF
TOPIX(年4回決算型)
運用会社野村アセットマネジメントブラックロック・ジャパン大和アセットマネジメント
信託報酬率0.0586%(段階料率)0.0495%(段階料率)0.066%
純資産総額23兆6889億円1兆8600億円795億円
分配頻度年1回年2回年4回
最低取引金額29,500円2,920円2,825円
各社HP参照。2025年7月16日時点

上記以外にも多数TOPIXをベンチマークとしたETFは存在しますが、分配金の支払い頻度の異なる3つを纏めてみました。分配金1回なら日興アセットマネジメントの上場インデックスファンドTOPIX<1308>、分配金2回なら三菱UFJアセットマネジメントのMAXIX トピックス上場投信<1348>あたりも候補となると思います。

ETFの選択方法については、信用できる管理会社で流動性が高く(純資産総額が一定以上)、信託報酬の低い商品を選ぶのが良いと思います。少額ずつ購入したい場合は、最低取引金額(市場価格×売買単位)も考慮が必要です。分配金の頻度については、好みの範疇かと思います。

TOPIX連動ETFの中で一番無難と言えるのは、純資産総額が国内トップクラスかつ低コストの1306でしょうか。

日本 vs 米国 vs 全世界

S&P 500 ETFのVOO、全世界株式ETFのVTとの比較を見てみます。

スクロールできます
 1306VOOVT
名称NEXT FUNDS
TOPIX連動型上場投信
Vanguard
S&P 500 ETF
Vanguard
Total World Stock ETF
運用会社野村アセットマネジメントバンガードバンガード
信託報酬率0.0586%(段階料率)0.03%0.06%
ベンチマークTOPIX(配当込み)S&P 500 IndexFTSE Global All Cap Index
銘柄数1,8625059,914
最大銘柄比率3.21%(トヨタ自動車)7.33%(エヌビディア)3.83%(エヌビディア)
上位10銘柄比率21.8%36.6%19.7%
純資産総額23兆6889億円6,827億ドル487億ドル
分配頻度年1回年4回年4回
分配金利回り2.37%1.19%1.87%
各社HP参照。2025年7月16日時点

パフォーマンスも比較してみます。

上図は、1306とVOO及びVTIを比較したTradingView提供のチャートです。2011年から現在(2025年7月16日)までの配当込みのパフォーマンスです。米国株のVOOが圧倒的で、次に日本株の1306、全世界のVTの順となりました。直近10年だとVOO>VT>1306、直近5年だとVOO>1306>VT、直近1年だとVT≒VOO>1306の順になります。

長期投資するのであれば、過去の実績を考えるとやはり米国株のVOOが最適と言えそうです。1306はVOOと比べると分配金利回りが高く、外国課税もされないため、インカム重視だと優れている部分もあります。日本株も米国株も含むVTで全世界に分散でも良いし、日本株や米国株等のインデックスを組み合わせて自分に合った投資比率に調整するのもありですね。

長期的なパフォーマンスで米国株には劣って見えてしまいますが、日本株式市場全体に投資しておきたいなという方には、NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信<1306>は良い商品だと思います。

※本記事は投資勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ にほんブログ村 投資ブログ 資産運用へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

↑応援よろしくお願いします(カテゴリートップへ遷移)

  • URLをコピーしました!
目次