【銘柄分析】ブラックロック(BLK)

ブラックロックの2024年年次報告までの情報を基にした銘柄分析です。

バフェットの銘柄選択術を参考にした株価予測も記載しています。

数値は基本的にForm 10-Kを参照しています。

本記事は個人の見解に基づくものであり、利益を保証するものでも投資を推奨するものでもありません

目次

基本情報

企業名BlackRock, Inc.
ティッカーBLK
市場NYSE
セクター金融
決算期12月
指数Dow 30
S&P 500⚪︎
Nasdaq 100

企業概要

ブラックロックは、1988年設立の世界最大の資産運用会社です。2024年12月末時点で約11.6兆ドルもの運用資産残高を誇り、個人投資家から年金基金、政府機関まで幅広い顧客に対し、株式、債券、不動産、オルタナティブ等の多岐にわたる投資商品を提供しています。

独自のテクノロジー・プラットフォーム「Aladdin」による高度なリスク管理とポートフォリオ分析能力により、複雑な市場環境下でも最適な投資戦略を顧客に提供しています。また、ETF(上場投資信託)ブランドの「iShares」は世界トップシェアを占め、インデックス運用でも強みを発揮しています。その巨大な運用資産とテクノロジー、グローバルな展開力により、世界経済に大きな影響力を持つ企業です。

チャート

ファンダメンタル

売上高

2022年から少し停滞していたが、長期的には右肩上がり。

運用資産残高

2024年末のAUM(運用資産残高)は、約11.6兆ドルで世界最大。S&P 500の下落した2018年、2022年は運用資産が減少するも長期的には市場の成長に合わせて増加。

資産別残高

運用資産の55%程度を株式、25%程度を債券が占める。額は少ないが、成長率が高いのがコモディティ等を含むオルタナティブ。2024年に大きく上昇した一因は暗号資産ETFによる流入。

地域別売上高

アメリカが売上の約2/3を占める。欧州は約30%となっている。アジア・太平洋地域は全体の4%程度しかなく、成長率も高くない。

営業利益率

30%後半で安定して推移。

純利益(EPS)

※一時的な要因を除くため調整後EPSを採用

直近少し停滞したが右肩上がりで成長。米国株が大きく下落した2022年は、運用資産、売上、EPS全てが落ち込んだ。

ROE

15%前後で安定して推移。

株主還元

配当(DPS)

連続増配を継続。2023年からは増配率が低くなっている。

配当性向

50%前後で安定して推移。

自社株買い

継続して自社株買いを実施。

発行済株式数

自社株買いにより緩やかに減少。

株価予測

以下の数値を用いて5年後の株価と期待収益率を求めます。

EPS5年成長率8.9%
10年成長率8.5%
DPS5年成長率9.1%
10年成長率10.2%
ROE5年平均14.6%
10年平均13.9%
配当性向5年平均47.5%
10年平均46.5%
PERレンジ20~25
5年平均21.4

▫️EPS成長率ベース
EPS成長は波があるのでより長期の10年成長率を採用し、5年後のEPSと株価を求めます。PERは5年平均を採用します。

43.6 *(1 + 0.085)^ 5 = 65.49
65.49 * 21.4 = 1401.4

5年後の株価は$1,401.4となりました。

▫️ROEと内部留保ベース
ROEと配当性向も10年平均を採用し、5年後のEPSと株価を求めます。PERはEPS成長率ベースと同様に5年平均を採用します。

43.6 *(1 +(0.139 *(1 – 0.465)))^ 5 = 62.48
62.48 * 21.4 = 1337.1

5年後の株価は$1,337.1となりました。

▫️予想配当
配当の成長率をもとに5年間で得られる配当を求めます。配当成長率も10年成長率を採用します。

20.4 *(1 + 0.102)+ … + 20.4 *(1 + 0.102)^ 5 = 137.8

5年間で1株当たり$137.8の配当を得られる計算となりました。

▫️期待収益率
予想株価と配当から期待収益率を求めます。取得価格は2024年12月末の株価1,014.17とします。

(1401.4 + 1337.1)/ 2 = 1369.2
1369.2 + 137.8 = 1507.0
(1507.0 / 1014.17)^(1 / 5)- 1 = 0.082

期待収益率は8.2%となりました。

個人的には10%を超えていれば投資対象としてありだと考えています。

※上記試算はバフェットの銘柄選択術を参考に独自のやり方を加えた方法を取っています。どの数値を採用するか、PERをどうするかで結果は大きく変わってきますので、一つの分析手法としてちょっとした参考程度に見て頂ければと思います

所感

運用資産残高11.6兆ドルの世界最大の資産運用会社で、2位のバンガード・グループとの2強になっています。S&P 500 ETFのIVV、米国総合債券ETFのAGG等、iSharesブランドのETFを利用している方もいるのではないでしょうか。今でもすごい規模ですが、ETFによるパッシブ運用はこれからもまだまだ伸びていくと思います。

2019年頃からウォッチを続けている銘柄ですが、一度も購入することなく現在まで来ています。購入を躊躇する要因の一つが上述のバンガードの存在です。私もいくつかETFを保有していますが、ほとんどがバンガードのものでブラックロックのものは保有していません。ブラックロックも良い銘柄だとは思うのですが、バンガードという強力なライバルがいること、そしてバンガードは非公開会社なので、投資対象として比較できないこともあり、手を出しづらいところがあります。

株価も1,100ドルを突破し順調に最高値を更新していっているので、400ドル台の頃に買っておけばなぁと思うことはありますが、現状では上記の期待収益率もあまり高くない結果となっていますし、引き続きウォッチだけ続けていきたいと思います。600ドルくらいまで下がってきたら検討ですね。

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