【銘柄分析】INPEX(1605)

株式会社INPEXの2024年度決算までの情報を基にした銘柄分析です。

バフェットの銘柄選択術を参考にした株価予測も記載しています。

数値は基本的に決算短信等のIR情報を参照しています。

本記事は個人の見解に基づくものであり、利益を保証するものでも投資を推奨するものでもありません

目次

基本情報

企業名株式会社INPEX
コード番号1605
市場東証プライム
業種鉱業
決算期12月
指数日経平均

企業概要

INPEX(インペックス)は、日本最大規模のエネルギー開発企業として、石油・天然ガスを中心としたエネルギー資源の安定供給をグローバルに担っています。1941年に半官半民で帝国石油株式会社として設立、経営統合等を経て、2021年に国際石油開発帝石株式会社から現行の株式会社INPEXに社名を変更しています。

事業内容としては、石油・天然ガスの「探鉱」「開発」「生産」「販売」までの一貫した上流ビジネスが主軸です。オーストラリア、アブダビ、東南アジア、欧州、日本を中心に世界中でプロジェクトを推進しています。特に、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトでは、日本企業として初めて操業主体(オペレーター)を務める等、大規模な開発・生産プロジェクトを牽引しています。

近年では、地熱や洋上風力といった再生可能エネルギー、水素・アンモニアの製造・利用、CCUS(二酸化炭素の回収・貯留・利用)等、次世代の低炭素なエネルギー源の供給にも貢献することを目指しており、事業ポートフォリオの多角化を進めています。

売上高

2019年に決算期を3月から12月に変更しているため、2019年以降のみのデータを参照。

油価の大幅上昇、大幅な円安、事業の安定成長により、2022年に大幅増収。以降はほぼ横ばい。

セグメント別売上比率

2024年では、国内O&G(石油・天然ガス事業)が約1割、海外O&Gが約9割となっている。

営業利益率

営業利益率は、50%前後と超高水準で推移。

純利益(EPS)

パンデミック時の原油価格の大幅下落の影響等により2020年は損失を計上。直近10年で見ると上昇傾向。

ROE

2021年以降は、10%前後で推移。長期的な目標として10%以上を掲げている。

株主還元

配当(DPS)

損失計上の2020年に減配。2021年度以降は連続増配で2027年までは累進配当を行うとしている。2025年は、90円の見込み。

配当利回りは、3.0~5.0%程度で推移。2024年度末時点では、4.3%程度。

配当性向

概ね30%前後で推移。自社株買いと合わせて総還元性向50%以上を目標値としている。

自社株買い

2021年以降、継続して自社株買いを実施。

発行済株式数

2021年の自社株買い開始以降は減少傾向。

株主優待

12月末を基準日に400株以上、1年以上保有でQUOカードの贈呈。

■400株以上800株未満
保有期間1年以上:1,000円分
保有期間2年以上:2,000円分
保有期間3年以上:3,000円分

■800株以上
保有期間1年以上:2,000円分
保有期間2年以上:3,000円分
保有期間3年以上:5,000円分

株価予測

以下の数値を用いて5年後の株価と期待収益率を求めます。

EPS5年成長率32.5%
DPS5年成長率23.4%
ROE5年平均6.8%
配当性向5年平均26.3%
PERレンジ4~8
5年平均5.9

▫️EPS成長率ベース
EPS成長はかなり波があり、5年成長率はあまり現実的な値ではないので計算対象外とします。

▫️ROEと内部留保ベース
ROEと配当性向は5年平均を採用し、5年後のEPSと株価を求めます。PERも5年平均を採用します。

345.1 *(1 +(0.068 *(1 – 0.263)))^ 5 = 440.5
440.5 * 5.9 = 2599.2

5年後の株価は2,599.2円となりました。

▫️予想配当
配当の成長率をもとに5年間で得られる配当を求めます。配当成長率は5年平均を採用します。

86 *(1 + 0.234)+ … + 86 *(1 + 0.234)^ 5 = 845.2

5年間で1株当たり845.2円の配当を得られる計算となりました。

▫️期待収益率
予想株価と配当から期待収益率を求めます。取得価格は2024年12月末の株価1,926.5とします。

2599.2 + 845.2 = 3444.4
(3444.4 / 1926.5)^(1 / 5)- 1 = 0.123

期待収益率は12.3%となりました。

個人的には10%を超えていれば投資対象としてありだと考えています。

※上記試算はバフェットの銘柄選択術を参考に独自のやり方を加えた方法を取っています。どの数値を採用するか、PERをどうするかで結果は大きく変わってきますので、一つの分析手法としてちょっとした参考程度に見て頂ければと思います

所感

他の銘柄は基本的に10年以上分の決算内容を纏めていますが、INPEXは決算期が2019年に変わっていることもあり、直近6年分の内容としています。参考までに、2015年度から2019年度まではざっくり全体的に横ばいといった内容です。

少し興味があったので今回色々と調べてみましたが、2021年以降は株主還元を強めていて、累進配当や継続的な自社株買いの実施を推進しています。2008年から2020年まで下がり続けていた株価ですが、2020年の安値からこの5年で4倍近くに急上昇しています。コロナショック後の安値で投資できた方はキャピタル、インカム共に大満足の状況かと思います。ここから再度の急上昇は難しいと思いますが、積極的な株主還元により今後も利益は見込めそうです。

INPEXは黄金株を発行している日本で唯一の上場会社で、約23%の株式を保有する筆頭株主の日本政府(経済産業大臣)が黄金株を保有しています。重要議案を否決できる権利が黄金株にはあるため、海外企業からの買収等を防ぐことができ、国に守られている企業とも言えます。安心して長期保有できるように思えますが、油価と為替の影響が大きい事業内容のため、原油安と円高が重なれば株価は大幅に下落する可能性が高いです。安い時に仕込みたい銘柄ですが、リスクも承知した上での投資が必要となりそうです。

管理人は本銘柄を保有していません。

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