アルファベット<GOOGL>が7%下落!アップルへの影響も確認

概要

昨日、米司法省のグーグルに対する独占禁止法訴訟の証言で、アップル<AAPL>のサービス担当シニアバイスプレジデントのエディ・キュー氏がSafariにAI検索ツールを導入することを積極的に検討しているとコメントしたとブルームバーグが報じました。

発端となった報道とは別ですが、以下にブルームバーグの関連記事を貼っておきます。

報道を受けて、5/7の取引でグーグルの持株会社であるアルファベット<GOOGL>は7.26%の大幅下落となりました。S&P 500がプラスで引けた中、アップルについても、1.14%の下落となっています。

キュー氏コメント要約

キュー氏は以下のようなコメントをしたと報じられています。

・SafariにAI検索ツールを導入する案を積極的に検討中
・Safariでの検索数が4月に初めて減少した
・検索数減少はAIサービスへの移行が要因である
・AI検索サービス※が従来の検索エンジンに取って代わる
 ※OpenAI、Perplexity AI、Anthropic等
・上記サービスのプロバイダーと導入について協議中

他にも、「AIはテクノロジーの転換であり、新たなチャンスを生み出す」、「テクノロジーの進化は早く、10年後にiPhoneは必要ないかもしれない」と言った発言もあったようです。数年後には、AIにより大きな変革が起こっているのかもしれません。

アップルへの影響

Safariのデフォルト検索エンジンは長年Googleになっています。これを維持するために、グーグルはアップルに年間180~200億ドルの支払いを行っていると推定されています。これはアップルにとって大きな安定収益源となっているため、支払いがなくなることは悪材料となりそうです。

Apple IRより参照

グーグルからの支払いを200億ドルとすると、サービス部門の売上の20.8%が、営業利益の16.2%が単純計算で失われることになります。AI検索ツールの導入でこれ以上の成果をすぐに出すのはなかなか難しいように思えます。

アルファベットへの影響

元々の米司法省の訴訟の背景は、Googleの独占による検索市場の競争の欠如ですが、AI検索の普及でそもそもの独占が脅かされてきています。近年はクラウド部門が成長してきましたが、それでも検索広告がアルファベットの主力事業となっています。

Alphabet IRより参照

検索だけで売上の56.6%、広告部門で見ると75.6%を占めています。直近の決算では成長は維持できていますが、AI検索が普及し、それが数値に表れてくるとさらに下落といったことになりそうです。アルファベットもGeminiの普及を進めていますし、先日サンダー・ピチャイCEOはSiriにGeminiを提供予定とコメントする等、当然対策は講じています。

TAC(トラフィック獲得コスト)の観点から見れば、営業利益率の向上になる可能性もあります。

Alphabet IRより参照

TACは、トラフィックを獲得するためにGoogleネットワークのパートナーやブラウザプロバイダーに支払っている費用ですが、広告部門の売上の20.7%と大きなコストとなっています。アップルへの支払いが200億ドルとすると36.4%ものTAC削減となります。

個人的には、今回の7.26%もの下落は過剰反応のように感じます。PERも20を下回りむしろ割安感が高まったように思えます。追加購入する気はないですが、売却もせず、現状では引き続きホールドしていきたいと思います。株主としては、アルファベットがAIの世界も牽引していく結果となると嬉しいですね。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ

↑応援よろしくお願いします(カテゴリートップへ遷移)

  • URLをコピーしました!