コカ・コーラの2024年年次報告までの情報を基にした銘柄分析です。
バフェットの銘柄選択術を参考にした株価予測も記載しています。
数値は基本的にForm 10-Kを参照しています。
基本情報
企業名 | The Coca-Cola Company | |
---|---|---|
ティッカー | KO | |
市場 | NYSE | |
セクター | 生活必需品 | |
決算期 | 12月 | |
指数 | Dow 30 | ⚪︎ |
S&P 500 | ⚪︎ | |
Nasdaq 100 | – |
企業概要
コカ・コーラは、米国ジョージア州アトランタに本社を置く、創業1886年の世界最大の清涼飲料水メーカーです。
事業内容としては、象徴的な「コカ・コーラ」ブランドを筆頭に、「スプライト」「ファンタ」「アクエリアス」「ジョージア」等、200以上のブランドを展開し、炭酸飲料だけでなく、スポーツドリンク、ジュース、コーヒー、お茶といった多岐にわたるノンアルコール飲料の製造・販売を行っています。
同社は原液の開発、製品の企画、マーケティングに注力し、製造及び販売(ボトリング事業)は世界中のフランチャイズパートナーに委ねる「フランチャイズモデル」を基本としています。これにより、効率的なグローバル展開と地域に根ざした事業展開を両立させています。

チャート
ファンダメンタル
売上高

2018年まではボトリング事業の切り離し等から売上が減少。その後はパンデミック時を除き、再び成長を続けている。
地域別売上高

北米が売上、利益共に最大比率だが、世界中にバランス良く分散されている。
営業利益率

事業再編(ボトリング事業切り離し)が進むにつれて上昇。その後は2024年に下落するが高水準で推移。
純利益(EPS)

※一時的な要因を除くため調整後EPSを採用
2020年まで停滞していたが、2021年以降は安定した右肩上がり。
ROE

事業再編後の2019年以降、40%超と高水準をキープ。2017年の落ち込みは、税制上の一時費用計上による純利益減少の影響。
株主還元
配当(DPS)

近年の増配率は低いが、62年もの連続増配を継続。
配当性向

70%前後で推移。安定はしているが配当性向は高め。
自社株買い

断続的に実施。2018年以降は以前より控えめ。
発行済株式数

自社株買いの多かった2017年までは減少傾向だったが、その後はほぼ横ばい。
株価予測
以下の数値を用いて5年後の株価と期待収益率を求めます。
EPS | 5年成長率 | 13.0% |
---|---|---|
10年成長率 | 14.1% | |
DPS | 5年成長率 | 3.9% |
10年成長率 | 4.7% | |
ROE | 5年平均 | 42.4% |
10年平均 | 35.9% | |
配当性向 | 5年平均 | 72.6% |
10年平均 | 73.1% | |
PER | レンジ | 20~25 |
5年平均 | 23.3 |
▫️EPS成長率ベース
EPS成長は事業再編後となる5年成長率を採用し、5年後のEPSと株価を求めます。PERは5年平均を採用します。
2.88 *(1 + 0.064)^ 5 = 3.93
3.93 * 23.3 = 91.6
5年後の株価は$91.6となりました。
▫️ROEと内部留保ベース
ROEと配当性向も直近の傾向が反映されている5年平均を採用し、5年後のEPSと株価を求めます。PERはEPS成長率ベースと同様に5年平均を採用します。
2.88 *(1 +(0.424 *(1 – 0.726)))^ 5 = 4.98
4.98 * 23.3 = 116.1
5年後の株価は$116.1となりました。
▫️予想配当
配当の成長率をもとに5年間で得られる配当を求めます。配当成長率もEPS同様に波があるのでより長期の10年成長率の方を採用します。
1.94 *(1 + 0.039)+ … + 1.94 *(1 + 0.039)^ 5 = 10.9
5年間で1株当たり$10.9の配当を得られる計算となりました。
▫️期待収益率
予想株価と配当から期待収益率を求めます。取得価格は2024年12月末の株価61.37とします。
(91.6 + 116.1)/ 2 = 103.8
103.8 + 10.9 = 114.8
(114.8 / 61.37)^(1 / 5)- 1 = 0.133
期待収益率は13.3%となりました。
個人的には10%を超えていれば投資対象としてありだと考えています。
※上記試算はバフェットの銘柄選択術を参考に独自のやり方を加えた方法を取っています。どの数値を採用するか、PERをどうするかで結果は大きく変わってきますので、一つの分析手法としてちょっとした参考程度に見て頂ければと思います
所感
コカ・コーラだけでなく、ファンタ、アクエリアス、ジョージア、綾鷹、いろはす等々、様々な飲料ブランドを有する誰もが知る企業だと思います。バフェット銘柄としても良く知られていますし、長期連続増配のディフェンシブ銘柄として、ジョンソン&ジョンソン<JNJ>やP&G<PG>等と米国株初心者向けとして紹介されているイメージもあります。
私も、米国株中心に移行した2019年に、今でも保有を継続しているマイクロソフト<MSFT>やビザ<V>と並んで最初に購入した銘柄の一つだったりします。より成長性を重視したのもあり、半年程度で売却し、他の銘柄の購入に当てたので、現在は保有していません。
バフェット氏がコカ・コーラ株を大量購入したのは1988年と1989年。この頃は1989年からの4年間でEPSが倍になっているように、近年よりも遥かにEPS成長率が高い企業でした。バフェット銘柄だからとか誰々が言っていたからとか盲信的になるのでなく、その時その時の状況を自身で分析、納得した上で投資するようにしないとですね。