【銘柄分析】ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の2024年年次報告までの情報を基にした銘柄分析です。

バフェットの銘柄選択術を参考にした株価予測も記載しています。

数値は基本的にForm 20-Fを参照しています。

本記事は個人の見解に基づくものであり、利益を保証するものでも投資を推奨するものでもありません

目次

基本情報

企業名British American Tobacco Plc
ティッカーBTI
市場NYSE
セクター生活必需品
決算期12月
指数Dow 30
S&P 500
Nasdaq 100

BATは、以下の市場に上場しています。

  • ロンドン証券取引所(LSE):BATS
  • ニューヨーク証券取引所(NYSE):BTI
  • ヨハネスブルグ証券取引所(JSE):JSE

ティッカーは売買のしやすいNYSEのADR(米国預託証券)のBTIとしていますが、決算内容等は英国ポンドのままで記載していますので、ご留意ください。

企業概要

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は、英国に本社を置く世界的なたばこ・ニコチン製品メーカーです。1902年設立の歴史を持ち、「KENT」「KOOL」「LUCKY STRIKE」といった有名ブランドを展開しています。

近年は、紙巻たばこに加え、加熱式たばこ「glo」やオーラルたばこ「VELO」等、健康リスク低減の可能性を秘めた新カテゴリー製品の開発・販売にも注力しています。世界140以上の市場で事業を展開し、消費者中心のマルチカテゴリー消費財企業への変革を進めています。

BAT IR資料より参照。2025年6月時点

チャート

ファンダメンタル

売上高

2017年の米国のR.J.レイノルズ・タバコ・カンパニー買収により売上が増加。それ以降の2018年からは、ほぼ横ばいで推移。2024年の減少は、ロシア及びベラルーシ事業の売却も影響。

セグメント別売上高

2024年では、米国が113億ポンドで全体の43.6%程を占める。AME(アメリカ大陸、ヨーロッパ)が35.7%、APMEA(アジア太平洋、中東、アフリカ)が20.7%と売上は世界で分散されている。

gloやVELO等の新カテゴリーの売上は、34億ポンドで売上全体の13.3%程となっている。

営業利益率

2022年までは、35%前後で推移。2023年は、米国事業で273億ポンドの減損計上で大幅な赤字となった。

純利益(EPS)

※一時的な要因を除くため調整後EPSを採用

長期的には右肩上がりも近年は停滞。

ROE

レイノルズ買収から2022年までは10%前後で推移。2023年の落ち込みは、米国事業減損の影響。

株主還元

配当(DPS)

近年の増配率は低いが、連続増配を継続。

配当性向

65%前後で推移。配当利回り6%超と高配当だが、調整後EPSベースでの配当性向は安定している。

自社株買い

2014年に8億ポンドの自社株買いを実施後、2022年まで停止。近年は断続的に実施。2025年は、11億ポンドの自社株買いを予定。

発行済株式数

レイノルズ買収後は横ばいだったが、2022年からの自社株買い復帰で近年は減少傾向。

株価予測

以下の数値を用いて5年後の株価と期待収益率を求めます。決算のポンドに合わせ、ここではロンドン証券取引所(LSE)での株価で計算しています。

EPS5年成長率2.3%
10年成長率5.7%
DPS5年成長率2.7%
10年成長率5.0%
ROE5年平均2.9%
5年平均(2023年除く)10.5%
10年平均4.8%
配当性向5年平均64.5%
10年平均66.7%
PERレンジ7~10
5年平均8.15

▫️EPS成長率ベース
EPS成長は波があるのでより長期の10年成長率を採用し、5年後のEPSと株価を求めます。PERは5年平均を採用します。

362.5 *(1 + 0.057)^ 5 = 478.4
478.4 * 8.15 = 3899

5年後の株価は£3,899となりました。

▫️ROEと内部留保ベース
ROEは2023年の減損の影響を除く5年平均を採用、配当性向は5年平均を採用し、5年後のEPSと株価を求めます。PERはEPS成長率ベースと同様に5年平均を採用します。

362.5 *(1 +(0.105 *(1 – 0.645)))^ 5 = 435.0
435.0 * 8.15 = 3546

5年後の株価は£3,546となりました。

▫️予想配当
配当の成長率をもとに5年間で得られる配当を求めます。配当成長率は10年成長率を採用します。

240.2 *(1 + 0.050)+ … + 240.2 *(1 + 0.050)^ 5 = 1392

5年間で1株当たり£1,392の配当を得られる計算となりました。

▫️期待収益率
予想株価と配当から期待収益率を求めます。取得価格は2024年12月末の株価2,777とします。

(3899 + 3546)/ 2 = 3722
3722 + 1392 = 5115
(5115 / 2777)^(1 / 5)- 1 = 0.130

期待収益率は13.0%となりました。

個人的には10%を超えていれば投資対象としてありだと考えています。

※上記試算はバフェットの銘柄選択術を参考に独自のやり方を加えた方法を取っています。どの数値を採用するか、PERをどうするかで結果は大きく変わってきますので、一つの分析手法としてちょっとした参考程度に見て頂ければと思います

所感

世界中で事業をしている、日本たばこ産業/JT<2914>とフィリップ・モリス・インターナショナル<PM>が主な競合となります。米国で展開しているアルトリア・グループ<MO>も含め、たばこ株は高配当銘柄として知られているかと思います。計算上の期待収益率は13%でしたが、配当を除くと6%程度となり、やはり配当の比率が高くなっています。

私は2020年にBTIに投資し、現在も保有しています。他の株式との相関が低く、安定した高配当を貰えるので、ポートフォリオに少しこういった銘柄を持っているのも悪くはないかなと思っています。BTIを選んだのは、当時他の競合と比べて一番財務が安定していて、増配を続けてくれそうと考えたからです。ADRで外国税がかからないのも良いですね。

私自身は喫煙者ではありませんが、衰退産業と言われ続けても売上やEPSが落ち込んでいるわけではなく、少しずつ品を変えながらも続いていくのではないかと思います。念のため、この記事はたばこを推奨するものではありません。

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